一眼レフだけでなくスマホでもRAW写真が撮影できるようになり、近年写真の表現の幅が広がってきているように感じます。その中でよく耳にするのが「RAW現像やりすぎ問題」です。フォトグラファーの間でも賛否両論あるこの問題。Velox photo代表の私が独断と偏見で語っていきます。
結論からいうと私はRAW現像やりすぎ賛成派です。というかどっちでもいいです(元も子もない笑)
クライアントワークじゃない撮影だったら人のスタイルに対して「あれはやりすぎだ」声あげる必要ないんじゃないと思ってます笑
目次
RAW現像のやりすぎとは?
まず、そもそもRAW現像のやりすぎとはどういうことなのでしょうか?
デジタルRAW現像が登場する前のフィルムの時代では、ナイフや鉛筆などで実際にフィルムの表面を物理的に削ってレタッチしていました。
ものすごく大変な作業です。
しかし、今やデジタル一眼が主流になってRAW撮影ができるようになりました。
そしてレタッチもLightroomやPhotoshopを使うことで、パソコン上で簡単にできるようになりました。
そのおかげで出てきたのが、「RAW現像やりすぎ問題」です。(私は別に問題だとは思ってないんですけどね笑)
例えば、私がRAW現像したこの写真をみてください。
この写真が、
こうです笑
ガラッとイメージが変わりましたよね。もともとの写真が明け方すぎて暗かったのと、絵本のような幻想的な雰囲気を出したかったのでこのように加工しました。
ご覧の通り、RAW現像のレタッチの仕方いかんではこのように大きく印象を帰ることができてしまうのです。(レタッチの上手い下手は置いといて、)
しかもPCでとても手軽に!
さて、こういう写真に対して「やりすぎ」「不自然すぎる」という声が上がります。
これが俗に言われる「RAW現像やりすぎ」問題です。
日本ではRAW現像のやりすぎ=悪という風潮が強い
RAW現像やりすぎ問題ですが、特に日本の写真会話において指摘されるケースが多い気がします。
もちろん海外でも批判が0という訳ではありません。海外に住んだことがある私の経験に基づいて相対的にという意味です。
実際に、日本人の結構有名なカメラマンがRAW現像やりすぎと他のカメラマンを批判しているのを耳にしたことがあります。
素材本来の価値を引き出すのが日本の美学として、無意識のうちに刷り込まれているのだろうと思います。
食文化などをみても、スパイスやソースを使わずに素材本来の味を引き出すのが素晴らしいとされていますよね。これと同じ感覚だと思います。
これからは自分のスタイルを出していかなくては生き残れない
RAW現像やりすぎが疑問視されますが、本当に問題なのでしょうか。
ここまで何度も述べていますが、私は別に問題だと思ってはいません。
むしろ、これからの時代は果敢に挑戦して自分のスタイルを出していかないと生き残れないと思います。
というのも、iPhoneやPixelなどのハイエンドスマホでは素人目には一眼レフと比べても遜色ない画質の写真が撮影できます。
また、無料アプリでさまざなフィルターが提供されており、加工自体の難易度もものすごく下がっています。
一億総カメラマン時代に突入しています。
アートの領域までのクオリティを求めないのであればカメラマンはもう必要ありません。
このような時代の流れでフォトグラファーが生き残るにはどうすればいいのでしょうか?
私は、自分の写真スタイルを確立することが鍵を握っていると思っています。
例えば、有名どころで言うとSam Kolderさんがいい例でしょう。
彼のインスタグラムを見ればわかるように、彼の特徴的なOrange&Teal(オレンジ&ティール)は一眼でその写真がSam Kolderが撮ったものだとわかりますよね。
日本のフォトグラファー からしたら邪道と言われるかもしれません。
がしかし、ありきたりの写真で誰が撮ったのかわからない写真より、自分のスタイルを出している方がましなのではないでしょうか?
もし、そのスタイルとクライアントが求めるイメージが合致したら、バイネームで仕事を獲得することもできます。
誰でも、綺麗な写真が撮れるこの時代、自分のスタイルを確立できないフォトグラファーは仕事がなくなってしまうのではないかと思っています。
RAW現像のやりすぎはダメじゃない。ただし目的に合わせて行うべき!
ここまで、RAW現像のやりすぎは問題じゃないと言うことをお伝えしてきました。
しかし、目的によってはやりすぎない方がいい時ももちろんあります。
自分のスタイルを表現するのはやりすぎOK
自分の趣味での撮影や旅行先での撮影の場合はいくらRAW現像をやりすぎてもOKだと思います。
色々な編集に挑戦して自分のスタイルを見つけ出しに行きましょう。
たとえ、やりすぎとかの批判を受けても無視でOKです。自分が納得するものができれば趣味なので問題ありません。
商業用写真や仕事での撮影はやりすぎ注意
ところが、仕事でやるときは話が変わってきます。クライアントが伝えたいイメージを尊重してRAW現像をやりすぎないようにしましょう。
仕事として、やっている時はあくまでもクライアントがあってのフォトグラファー です。
もちろんフォトグラファー自身がマーケティングや広告に精通していて、より効果的な写真を提案することができるなら話は別です。しかし、そこまでできるフォトグラファーは少ないかと思います。
また、クライアントワークの写真をレタッチで盛り過ぎるのも控えた方がいいでしょう。
例えば、宿泊施設の写真を綺麗に修正しすぎて集客してしまうと、実物との乖離から悪い口コミ評価がつき、かえって集客に支障をきたしてしまうことが簡単に予想できます。
綺麗な写真を提供することも重要なのですが、ビジネスの場においては期待値調整も必要なのです。
まとめ:RAW現像でやりすぎは本当にダメなの?
私個人の意見ですが、RAW現像のやりすぎは決してダメなことではありません。趣味の範囲であれば誰にも口出しされる筋合いはありません。
ただ、クライアントワークの際には少し気をつけましょう。クライアントが欲しい写真のイメージ、クライアントが写真を依頼する目的を意識してRAW現像してください。
そうすれば、ビジネスフォトグラファーとしての市場価値をあげることができるかと思います。
RAW現像をこれから始めるという方は、こちらのプリセットをまずは使ってみてはどうでしょうか?
初心者でもこれらプリセットを利用することで、自分のスタイルを簡単に出していくことができるでしょう。
プリセットを使えば簡単にRAW現像で雰囲気をガラッとかえることができます。
気になった方はLightroomoおすすめ有料プリセットの記事も合わせてお読みください!
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